「気力、体力、好奇心。くよくよせずに、お洒落をしよう」。
NPO法人いきいき里の会を創設した初代理事長の故・池辺道隆さんの言葉です。102歳まで現役として活躍した池辺さんの元気の秘訣でもあり、同法人のメンバーの座右の銘ともなっています。同法人の活動について理事長の丹野裕敏さんにお話を伺いました。
◇いきいき里の会の活動への思い
池辺さんがいきいき里の会を立ち上げたのは、友人の孤独死という、悲しい体験がきっかけだそうです。孤独死をなくしたい、何とか高齢者のために社会貢献をしたいとの思いから、私財を投じての設立となりました。その熱意は周囲の人々を動かし、次第に地元有志も集うようになります。現在、正会員32名、賛助会員11名、法人会員は4団体です。
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◇安否確認と心の癒しの場の提供
いきいき里の会では主に二つの活動を行っています。
一つ目は高齢者の孤独死の防止(安否確認)。具体的には、新宿区発行の「ぬくもりだより」という広報誌を同法人の会員の方々が一人暮らしの高齢者のお宅へ月2回届けます。これにより会話が生まれ、同時に安否の確認ができます。当初は声をかけても不審がられたとの苦労もあったそうですが、何度も通ううちに、毎回同じ人が来てくれるということで、徐々に心を開いてくれたそうです。
また、この活動は、安否確認を行う同法人の会員にも、社会貢献ができるという喜びをもたらしました。現在、70代の男性7名で、95名の高齢者の皆さんのもとへ、夏の猛暑や冬の厳しい寒さをいとわず、毎月訪問されて8年経ったそうです。
二つ目は引き籠りがちな高齢者の方々へイベントの参加を呼びかけ、外出の機会を提供すること。これまで筝曲演奏、ジャズやカラオケショーなどを企画しましたが、開催の趣旨は「心の癒しとコミュニケーションを深めること」だそうです。
参加者の中には、話が弾み、「飲み友達」ができたり、「カラオケ仲間」ができたりすることもあるとのこと。リピーター数も増えているそうです。 |
◇いつまでも笑顔で過ごしてもらいたい
高齢者の方々へのイベントについては、予算や人手の問題といった課題もありますが、今後もっと頻繁に機会を作りたいと考えているそうです。
高齢者に、いつまでも元気でお洒落に過ごして欲しい、と丹野さんは言います。
「かつては経済発展を担う存在として社会を支えてきた方々も、高齢になり、一人で寂しい思いをされている方も少なくないように思います。そんな方々が孤独にならず、人と触れ合うことで、少しでも笑顔で過ごしてもらえたらと思います」
(2016年6月7日取材 井上公子)
【団体概要】
団体名:NPO法人いきいき里の会
所在地:〒160-0005 東京都新宿区愛住町19−13 泰美ビル3F
電話:03-6380-6230
キラミラネット登録ページURL
http://shinjuku.genki365.net/gnks12/mypage/index.php?gid=G0000080
※本取材記事は、区民活動支援サイトキラミラネット登録団体について、区民による「プロから学べる!情報誌の作り方講座」の受講生が当該団体をインタビュー取材したものです。
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